おかげさまで、14期目に入りました。3ヶ月遅れですが。
2013年4月に創業したツクロアは、2026年、14期目に入りました。
…本当は4月に書くべきものですが、気づけば7月です。目の前のことに向き合っているうちに、3ヶ月が過ぎていました。
小さな会社が14年続くというのは、正直、自分でも少し不思議に思います。ひとえに、皆様がご縁をくださったおかげです。この記事では、これまで大切にしてきたことと今期の取り組みを、お客様やこれから関心を持ってくださる方に向けてお伝えします。
作るだけでは、立ち行かなくなる
創業した当時、すでにその数年前から、「つくるだけ」はプロの仕事として立ち行かなくなる、という兆しはあちこちに出ていました。
Adobe のソフトは、プロ向けの尖った道具から、アマチュアでも扱える優しいものへと変わっていきました。ホームページの代わりに SNS を使う会社も増えました。制作ツールやオープンソースのフレームワークが充実して、無料でも十分に高品質なものができるようになり、エンジニアだけでデザインまで仕上げてしまう場面も出てきました。
だから、作ることの先にある価値を扱う会社にしよう——そう考えて、ツクロアを始めました。
…と書くと、まるで先を読んでいたようですが、正直に言えば、当時の私は根拠のない自信に満ちていました。若かったのだと思います。兆しは見えていましたが、それが何を意味するのかを、ちゃんと分かっていたわけではありません。
そして、AI の台頭は思っていたよりずっと早いものでした。 ただ、やることは創業時と変わっていません。何をつくるかの前に、なぜつくるのかを問う。それだけです。
先が読めていたわけではないのだと思います。ただ、移り変わりの速いなかで、何を守るのかだけは決めていました。
大切にしてきたこと
回り道もありました
「バズる発信」や「売れそうなツール」を考えた時期もあります。ただ、この時代の速さからすると、そういうものへの固執より早く、淘汰がやってきます。
移り変わりは止められない。だとしたら、変わらないものを探すより、変わっていくなかで何を守るのかを決めるほうが確かだと思うようになりました。自分たちを大きく見せることはせず、地味でも、小さくても、大切なことを守り抜く。それだけを決めました。
課題駆動と、伴走者であること
長くお付き合いいただいているお客様に対して、「技術」よりも少しだけ重視してきたのが、課題駆動という姿勢です。
派手な仕事ではありません。ただ、お客様の組織のなかで「誰かがやらなければならないこと」に、専門家として一緒に向き合い、伴走してきました。
失敗にすぐ気づける状態
絶対に失敗しない方法など、存在しません。
だから私たちは、失敗しない方法ではなく、失敗にすぐ気づける状態を選んできました。書いたコードも、立てた仮説も、社内のミーティングノートまで、Notion でチームに開いています。
正直なところ、かっこいいものではありません。迷っている過程も、外れた仮説も、そのまま見えてしまうからです。それでも開いているのは、そのほうが早く気づけるからです。
仮説が外れたことも、UI設計がユーザーの実際の行動とズレていたこともあります。ただ、開いていたから、早く気づけました。実装にミスがあっても、チームで GitHub をうまく使って前に進めました。
失敗をたどれること。それが、私たちツクロアの文化です。
一緒に問える相手がいてこそ
ここまで書いてきて、はっきりすることがあります。 これらは、私たちだけでは何ひとつできませんでした。
「なぜ」の答えを本当に持っているのは、事業に向き合っているお客様自身です。問いを一緒に掘れる相手がいて、はじめて成立する仕事でした。形式だけのお付き合いではないことを理解してくださったお客様と、続いてきた。それだけのことだと思います。
今期は、これからのツクロアに向けて、AI フレンドリーなデザインフレームワークの自社開発にも取り組んでいます。シンプルで柔軟なツクロア発のデザインシステム Jumpu UI や、迅速に開発を始められる Website Boilerplate など、オープンソースとしても公開しています。これらはすべて、お客様の叶えたいことをプロセスごと課題駆動に乗せて解決に向かうための道具です。明日の売上に直結しないものにも、時間を使えています。ありがたいことです。
お客様が実現したいことに対して、その専門家の一員として、必要な道具も持ちながら、透明性高く伴走し続けます。何をつくるかの前に、なぜつくるのかを問う。なぜを、いちばん先に。そして、つくり、つたえる。
ツクロアという社名は、つくる(作る・造る・創る)と、lore(言い伝え)を合わせた言葉です。14年前につけた名前が、いまもそのまま、やることを指しています。それだけは、14期目も変わりません。
これまでお世話になりましたお客様へ、重ねて感謝を申し上げます。そして、私たちのような伴走者に関心を持たれた方は、ぜひご連絡をお待ちしております。